「ねぇ、私ってそんなにダメかな?」——気づかなかった本当の自分

那覇市に住むKさんは、毎月一度、

同級生の集まりに参加しています。

高校時代の友人たちとの時間は

楽しいものの、そのたびに自分の力のなさ

を感じ、劣等感に苛まれることがありました。

 

「みんなすごいなぁ……」

 

営業でトップ成績を出している人、

学校の先生として生徒を導いている人、

自営業で夫よりも稼いでいる人、

長年看護師として働き続けている人。

 

一方のKさんは、何の資格もなく、又

小さい子がいるという理由で、

なかなか正社員で雇ってくれるところは

なくて契約社員としてなんとか生活をしている状態でした

 

「自分は何も持っていない」

 

そんな思いが、集まりのたびに彼女の心を

重くしていました。

「自信がないんです」

ある日、Kさんは思い切って

コーチングを申し込みました。

 

「目標もなく、ただ毎日忙しく過ごすだけ

の自分を変えたい。

自分に自信を持ちたいんです」

話を聞いていくうちに、Kさんのこれまで

の人生が少しずつ明らかになっていきました。

 

30代のときに3人の子どもを連れて離婚。

それから今日まで、

一人で3人の子どもを育て上げてきた。

 

「離婚したとき、不安じゃなかったですか?」

「はい……とても不安でした」

「そのとき、3人を無事に成人させる自信はありましたか?」

 

「そんなことを考える余裕なんて

なかったです。ただ、一日一日を

どう生き抜くか、それだけを考えていました」

 

Kさんは、小さい子どもを抱えながら

パートを掛け持ちし、朝早くから夜遅くまで働きました。

 

子供達が中学に入ると、塾代を稼ぐために

さらにアルバイトを増やし、送り迎えも

しながら必死に生活を支えてきたのです。

 

自分のことを考える余裕なんて、

これまで一度もなかった。

そして、

ようやく子どもたちが全員成人し、

少し時間にゆとりができた今、

ふと周りを見渡すと、

自分は何も成し遂げていないような気がしてしまう——。

 

「もし、過去のあなたと同じように、

3人の子どもを抱えて離婚し、

不安でいっぱいの30代の女性がいたとします」

 

「……はい」

 

「その女性が、今のKさんを見たら、

なんて言うでしょうね?」

 

Kさんは、しばらく黙って考えていました。

 

そして、少しはにかみながら——

 

「たぶん……『すごい』って言うと思います」

 

「そうですよね。絶対に『すごい』って言いますよね」

 

その瞬間、Kさんの顔に、

ふわっと光が差したような笑顔が広がりました。

 

「……そうか、そうか。私、すごいんですね」

 

そう言ったKさんの表情は、

まるで長い曇り空のあとに晴れ間が広がるようでした。

そうか、そうか。私すごいんですね。

私たちは、過去に乗り越えてきたことを

忘れてしまうことがあります。

 

あのとき、必死に戦っていた日々を。

当時は苦しくて、泣きたくなることも

あったけれど、それでも一歩ずつ進んできたことを。

 

でも、乗り越えたからこそ、今の自分がある。

 

もし今、あなたが「自信がない」と思っているのなら——

 

一度、振り返ってみてください。

 

あなたが乗り越えてきたものは、

他の誰にも真似できない、あなたにしかない経験です。

 

そして、それはきっと、誰かの希望になり、勇気になる。

 

だから、大丈夫。

あなたは、すでにすごいのだから。

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